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特別セミナー議事録
香港和僑会臨時特別講演会
開催日:2008-9-16
講師: 栢野 克己 (かやの かつみ)
講演テーマ: 『第1回香港・ベンチャー大学講演会 ~人生は逆転できる!天職起業・成功事例~』

中国人をみたら・・・・と思え

今回は、残念無念で私(上野)自身が出席できず。
「どうだった?」「どうだった?」参加者に聞きまわると異口同音に「すごくためになった」「面白かった」と賞賛の嵐。参加できずに本当に後悔。

しかし以下の速記録を見るだけでもいろいろな気づきが・・・。

でもって、文責 上野の気づき

「中国人をみたら」

「・・・」

「友達と思え!」(その解説は本文参照♪)

聞くところによると、栢野先生は今回を皮切りにどんどんアジアで講演するご意向とか。

栢野先生、次回のお越しを首を長くしてお待ちしております。

ありがとうございました。 (文責 上野)

和僑会 臨時特別講演 2008年9月16日

 零細企業コンサルタント 栢野克己

16年前(1992年)から九州ベンチャー大学という勉強会を開催している。
自営業をしている方は自分で勉強する機会がないので、零細企業の方(かた)向けに勉強会を開いている。そのおかげで事例を多く知るようになり相談を持ち込まれるようになった。相談は無報酬で受けている。相談が多くなるので事例も多くなると言う循環になっている。
現在年間100回講演をしているが将来の夢の一つに10年後にはアジアで3分の1講演をしたい。というのがあり、本日は記念すべき第1回目のアジア講演になる。

今回はインドネシアからの帰途に香港に立ち寄った。
インドネシアのバンドンに鳥元という居酒屋がある。ここはアパレル会社を経営している吉武社長が経営している店。吉武社長は伊藤忠、伊藤錦を経て30代にバンドンで独立された方。それからインドネシア人を日本に派遣する会社を経営している桶さん、神本さんがバンドンでは集まってくれた。人材派遣会社はインドネシア人を集めて礼儀作法、あいさつ、簡単な日本語を教えて日本のトヨタ、ヤマハ、新日鉄などに派遣している。600人を送り出している。報酬は3,500円/人/月。

インドネシア人は穏やかで評判が良い、国情はタイの10年前と同じ、現在のタイとベトナムの中間が今のインドネシアだろう。タイは車だらけ、ベトナムはバイクだらけ。インドネシアはその中間。世界各国を回ったが、アジアは治安が良い、一方サンパウロは非常に治安が悪かった。家に鉄格子が着いており、7時以降の一人歩きは危険である。事件の発生率は日本の77倍にも達する。

その点中国人のバイタリティはスゴイ。どこの国に行ってもいる。アフリカのヨハネスブルグは世界で一番治安の悪い都市として知られるが300%強盗に遭うと言われている。ホテルの目の前にあるコンビニエンスストアに行くまでに強盗に遭うほどだ。かつてはローデシアと呼ばれたジンバブエはインフレが10000%を超え失業率は85%と考えられない数字になっている。そのジンバブエに桜田さんと言う現地の方と結婚された女性がいる。その方によるとこの7年間で日本人、欧米人は100分の1になったが、中国人は逆に100倍増えていると言う。中国が資源確保に動いているのが背景にある。昔から居る華僑は福建省から来た人たちで最大のレストラン・両替商は彼ら華僑が経営している。

ハングリーパワーは今や韓国中国のものだ。
福岡の天神は中国人だらけだし、吉野家の池袋店に行ったら店長以外はみんな中国人になっていた。飲食は中国人が抑えてしまっている。
日本で「中国人は嫌いだ」と言う人はまず中国に行った事のない人。私はこれからは中国がNO.1になると思っているから“中国人を見たら友達になろう”と心掛けている。
日本人は行儀良く並ぶが中国人は我勝ちに殺到する。

アジアを旅した時の印象だがネパールにマオイストが6割いる。ネパールにもインドと同じカースト制度がありそれへの反発からマオイズムに人気が出ている。カンボジアのプノンペンは戦後の焼け跡時代を髣髴とさせる光景。
ネパールの散髪屋で散髪をしていると、隣に居た客が「日本に連れて行ってくれ」と言う。初対面の見ず知らずの人間にこんなことを平気で頼んでくる。ハングリー精神の表れだろう。
ヤマハの売上の9割はアジアなのでこのような大企業はアジアの情報は知っているだろうが、中小企業の多くはアジアの情報は知らない。「アジアは近くて安全」というのを伝えていきたい。日本人の大半が内向きで分かっていない。

日本ではニート、アルバイト、派遣、失業などが労働人口の3分の1になっている。この様な人たちに働き場を与える為に“アジア送り出し機関”を作ってはどうだろう。
中南米を旅している時に見た光景はびっくりした。5歳か10歳で乞食の営業をしている。信号待ちしているミニバスに子供が乗り込んできて勝手に歌を歌って金をせびる。8歳で靴磨きや雑貨を売ったりしている。いかに日本が恵まれているかを考えると日本は奇跡のように思える。

日本人はパワーでは負けるが世界一のものを持っている。あいさつ、礼儀作法がきちんとしていて、正直でまじめ、うそをつかない。
殺人事件で被害にあった人は年間で1,600人、この数字はここ数年変化していない。
世界的な評価も日本は高い。中南米を歩いていると東洋人は中国人と思われるので“チノ”と呼ばれる。“チノ“とは中国人の蔑称だ。私は”ジャポン“だ、と言うと急に尊敬のまなざしに変わる。橋や学校が日本の援助で出来ているのを知っているからだ。JICAの功績もあるが日本人の国民性を評価されたと考えても良い。

世界からこう言われているのを知っているだろうか?
「中国人はだませない、韓国人はケチ、日本人は金を出す。」
日本も昔はアメリカのパクリから始まったので、日本人は中国人の悪口はあまり言えないかもしれないが、製品のパクリは出来るが国民性はマネが出来ない。だから継続取引になると日本の方が安心して取引が出来る。日本が貿易でうまくいったのは、日本の国民性に因(よ)るところが大きい。国民性とは一朝一夕に出来上がるものではない。日頃のしつけと習慣の賜物である。戦前に教育されていた“修身”は大事なのかも知れない。

経営(言い換えると仕事)とは人生であると考えている。
だから、仕事がうまく行かない時はボランティアに行っていた。仕事がうまく行く時は性格がよくなる。
ランチェスター戦略についてお話したい。経営戦略にはドラッカーなどもあるが、原理原則は同じ。
商売で決めなければならないことは次のことである。

1.商品(何を売るか)
2.地域(どこで売るか)
3.客層(誰に売るか)
4.営業(どのように新規客を開拓するか)
5.顧客戦略(リピート客をどうやって作るか)
6.組織戦略(力の出し方)
7.財務戦略(お金の使い方)
8.時間戦略(時間の使い方)

1.商品(何を売るか) 2.地域(どこで売るか) 3.客層(誰に売るか) 4.営業(どのように新規客を開拓するか) 5.顧客戦略(リピート客をどうやって作るか)

商売では登場人物が3人出てくる。
自分と客とライバルである。
負ける商売はしてはいけない。だから、ライバルがいないか、居ても大した事がない場合に、「じゃあ、やるか」と商売をすれば良い。
何が天職かは40代半ばにならないと判らない。色々と手を出しても40代になるとだんだんと絞ってくるようになる。

事例をいくつか紹介しよう。
栃木県の足利という地方都市で週末が若いカップルで一杯になる料亭がある。
何をしたか?
携帯電話用のHPに“足利”+“結納”で自分の店が出るようにHPを作り変えた。そして、そのHPには結納のしきたりや意味などを載せて最後のほうに、当店では両家の対面の場である結納に相応しい座敷がある。と書いてある。
それまではいつ潰れてもおかしくない店だったが今は繁盛店になっている。

福岡の中洲に不動産屋がある。年商が750万円しかなかったのに10年間で2億円になった。従業員も10人抱えている。商品はテナント物件の紹介と管理だけ(リフォームや売買はしない)地域は半径500mの中洲だけ。以前は新規客の開拓の為に大分や福岡県内を回っていた。私の経験で、地域を限定して営業し、新規客を開拓に遠いところまで行くなと言ったのはリクルートだけだった。
さて、この不動産屋だが、中州を調べてみると5,500世帯あり、市場規模が30億円あるということが判った。お客さんは飲み屋のママさん。

この人は家族ともども地元に住んで、町内会になり、子供も地元の学校に通わせ、ご近所の人とは雑談したり、生活の場を中洲に移してしまった。
この不動産屋は毎週ちらしを出しているが、月に1回は地域瓦版を出している。近所の喫茶店のマスターにインタビューした内容などを載せたりしている。
また、この経営者は“6連発はがき“を出している。最初は来店してくれた時、次は入居してくれた時、3回目は入金があった時、4回目は入居3ヵ月後に『不都合がないか?』のお伺い、5回目は年賀状、6回目はバースディカード。

この人のお客さんはスナックのママさんだが、話をしているうちにママさんが困っている事と自分が困っている事が同じである事に気付いた。人の採用をどうするか?新規顧客の開拓をどうするか?リピーターを増やすにはどうしたらいいか?ママさんたちは自分で本を読むなどの勉強はしない。そこで、4-5人を集めて『飲食店繁盛勉強会』を主催して7年になるという。これとは別に相談料3万円/月でコンサルタントも始めている。
今では10軒のスナックのうち9軒がこの不動産屋の顧客となっている。

この事例で言いたいのは小さい商品、狭い地域、限られた客層であってもいい、何でもいいから1番になること、ちいさな何かで1番になる。そうすると利益は倍増する事。それは『口コミ』の紹介があるからだ。誰かから何かを聞かれたとき、人は必ず自分の知っている“1番“を教えようとする。「その商品であの地域ならあの店がいい。」と答えるはずである。それは日本1高い山が富士山で2番目に高い山を知らないのと同じ理屈だ。2番目は覚えてくれない。新規の客を捕まえるのに一番コストが掛かる。同じだけ売上を上げようと思ったらリピーターの3倍費用が掛かる。
だから、手を広げない、地域を狭める、ライバルの少ないところで商売する。これがいい結果を生む。

青島で人気のうどん屋は福岡では負け組みだった。ところが、青島に出店した途端に黒字経営ができている。

広島に“ホエール”と言うパソコン教室がある。生徒数800人、売上高2億円
今どき流行らない衰退商品で教室も田舎にしかないにもかかわらず繁盛している。
その秘訣は高齢者にターゲットを絞って生徒を募集しているからだ。
このパソコン教室の宣伝文句は「わたしたちは同じ事を100回聞かれても、いつも笑顔で答えます。」教室も半分はパソコンを置いているが半分はお茶のみ場用のスペースになっていて、老人のコミュニケーションスペースにしている。

障害者専門の旅行社がある。従業員3名だが、1億円の年商がある。「体は不自由だがハワイに行きたい、金に糸目はつけない。」と希望される富裕層の障害者が客層になっている。この旅行社の凄いところは徹底的に事前調査をするところ。車椅子でも楽に移動できるバリアフリーになっているかどうか、そういう事まで現地に行ってまで調査し尽くしている。

中小の生き残る道は大量生産が効かない、手間が掛かる、面倒くさい、大手がバカにして手を出さない、そういう商品を手掛けるところにある。
H.I.S.は大手旅行会社が嫌がる海外格安チケットからスタートした。売上は安いし、細かいし、手間が掛かるばっかりで利益が上がらない。ツアーの方が余程手っ取り早い。しかし、H.I.S.は違っていた、格安チケットでNO.1になるまではツアーには進出しない。と固く誓っていたそうだ。

日本電産もそうだ、今では大会社だが最初は特注のモーターを手掛けて販路を順々に広げていった。

色んな成功本に目標を書けと必ず書いているが、実行して欲しい。うまく行っている人は恥ずかしがってあまり人には言わないものだが、仲良くなってこっそり話を聞くと、みんな目標を書いている。目標を書くのは1%ぐらい。皆さんも目標を書くだけでその1%に入ることとなる。私も仲間と目標を書くが『人生ほら吹き大会』と楽しみながら書いている。

6.組織戦略、これは絶対にワンマンにすべき。朝言ってる事と夕方言ってる事と違う。それでいい。とにかくガンガン変えるといい。

7.財務戦略、金を持つとヒトは変わる。成功したのに失敗してしまうのはそう言う人だ。急にベンツに乗り換えたり、豪邸を建てたり、高級スーツを着てみたり、更には愛人まで作ってしまう。こう言う金の使い方をしてはダメだ。

8.時間戦略、成功している人は朝7:30から仕事をしている。先んずれば人を制す。9時半とか10時に会社に来るようではダメ、3時からゴルフをするようでも成功はおぼつかない。

美容業界でうまく行っている人は「人と同じだとかなりヤバイ」が口癖になっている。
《質疑応答》
Q:世界一周された時は子供も一緒と聞いたが、子供はどんな反応を示したのか?

A:早く働きたい、海外に出たい。と言っている。子供には学校を1年休ませたので進級できないだろうと思っていたが、学校の計らいで進級できた。成功者を見ていると高卒や誰でも入れるような大学を出た方のほうが独立に成功している。自営業で必要なのはチャレンジ精神とコミュニケーション能力だからだ。自分は失敗して独立したが、自営業でよかったと思っている。子供にも同じ道を歩ませたい。


(速記録by拙速で候)

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