中国人に負けない交渉術 吉岡 建 07(2007年11月)
一.伝統的価値観
※儒教思想のキーワードは「礼」と「仁」である。
※但し、今の中国人の価値観は、時代の急速な変化によって多様化してきている。
現在の中国人は、市場経済と共に「拝金主義」が蔓延し道徳的な教育と資本主義的な欲望の二重人格を身に付けた。
※中国人にとって、親との血縁関係は価値観の基本である。
中国人は血縁関係を人間関係の中心におき、家族の絆を何より大切にする。
※欧米が「法治主義」、中国が「人治主義」であるわけは、
欧米は庶民のために法が必要であった。(法は庶民の味方)
中国は時の皇帝が法律そのもので、時の権力者が自由に法を解釈できた。
中国では民衆の利益を守る法律は最近できたのである。
(従来、法は権力者のものという意識が中国人には強い)
二、金銭感覚
※中国人は日本人の「割り勘」をケチと言う。
※中国人の拝金主義・・・旧正月に「恭喜発財」儲かるようにと言い「紅包」を渡す。
交際・・・中国人の人脈つくりに収入の1/4を使うほどである。
教育・・・子供の教育には多大なお金を使う。家計の1/3 ともいわれる。
親は子供に多大な期待をする。
農民の子供は大学に受かっても、金が無く行けなく自殺する子がいる。(中国紙)
賭博・・・賭金がとても大きい。(マカオ賭博場)
地域差・・・北京=権力主義 上海、広州=拝金主義
三、商売観
※血縁・地縁優先の経営・・・日系企業との違い
「同族経営」が多く、会社規模が大きくなっても、経理と人事は同族で抑える。
※中国人は時間をかけ、相手が信頼できるかどうかをじっくり調べる。
会社どうしの交渉には厳しいが、個人との交渉には面子を立てる。
日本人のような商売上での割きりをしない。
1.即断即決主義・・・動乱の歴史から、将来の的確な予測は出来ない。
2.意思決定は欧米と同じくトップ,ダウン。
3.将来の利益より確実な目先の利益を求める。(香港骨董街の話し)
※金持ちになりたければ「人間持ち」になれ。
最も価値のある人脈は政府官僚である。
商売上は絶対に敵を作らないこと。
※騙す人より、騙される人を軽蔑する。
・・・騙される人はトコトン騙される。
※いくら儲けても他人には決して言わない。
(中国人は長い動乱から学んだ)
四、職業観
※頭を使う人が人を管理し、体を使う人が人に管理される
※自己― 家族・親族― 朋友=自己人 それ以外は他人である。
※「中国人は人情深い」=自己人に対しては、「中国人は冷たい」
=他人に対しては誰にでも同じサービスは中国ではありえない。
※中国人は監視者の居ない所では、真面目に働かない傾向が強い。
五、仕事
※「鶏頭となるも牛後となるなかれ」一匹狼の傾向が強い。
中国人の多くは経営者を目標とする。
子供に将来何になりたいかを聞くと、日本は野球選手、看護婦など。
中国は社長、官僚、科学者と答える子が多い。
芸能人の評価は低い。
※プライドが高く、「自分は何でも出来る」という意識が強い。
面子を重んじる職業「官僚」をのぞむ=権力と社会的な地位がつく。
※管理者は人事権と昇給権を持たないと部下がついてこない。
※大卒者の理想・・・1.経営者 2.海外留学(アメリカ)3.一流企業
※中国企業は欧米、香港同様、即戦力の人材を求め、それほど新卒者を求めない。
※キャリアがあるほど、給与が高い。 年功序列は無い。
※大卒の会社選び・・・1.ハイアール 2.IBM 10.サムソン 22.ソニー
※キャリアウーマンは当たり前・・・専業主婦は都市部にはほとんど存在しない。
中国の全就業者に占める女性就業率は47%で世界一。
管理者も多い。
女性の憧れの職業・・1.教師 2.会社社長 3.マスコミ
六、男女観
※男性の女性化、女性の男性化傾向にある。
※性革命の進行
※男性は美しい女性と結婚するのが社会的な成功と見られる。
女性は事業での成功者と結婚する事である。
(経済力のある事)(拝金主義)
日本人は優しい男性を求めるが、中国人は女性に優しいのは当然である。
七、交友観
※血縁関係の次に大切な事が、「朋友関係」である。
※中国の長い動乱の歴史の中で、身を守るすべは、血縁と真の朋友である。
※交友関係を確立するには、時間をかけ相手をじっくり観察し、人格、性格を見極める。
※信頼と誠意を築くには「酒作り」同様、時間をかけて作り上げた友を「老朋友」と言う。
※「朋友」とは頻繁に交流する。・・・困った時、幸せなときこそ分かち合う。
八、同僚観
※理想の上司は、父親=厳格さ、と母親=(優しさ)の二つの顔を持った人。
※中国人は、会社のために働かない。自分のためか、信頼する上司のために働く。
会社に対する「忠誠心」はないが、上司に対する「忠誠心」はある。
上司が会社を辞めるとき、部下も辞める事が多くある。
信頼できる部下とは、家族づきあいをすると良い。
ミスをしたときは、その本人の責任で上司の責任であり、連帯責任の意識は無い。
※日本人の上司は常に中国人の部下からチェックされている。
1.業務能力が部下より優れているか
2.部下に対する評価が公平か
3.常に謙虚であるか。中国で仕事をさせて頂いているという気持ちが大切。
※部下に何かを求める前に、先ず自分の行動が正しいか反省すべし。
※ 中国では欧米同様、転職がキャリア・アップになる。
従業員の抵抗、反抗の方法
※反抗の方法は、1.不満をもつ同僚が連帯して団結する。(集団退社する)
2.上司の上司に直訴する。
3.責任逃れをして謝らない。
※中国人は持ち場意識が強いので、仕事の役割分担を明確にする事。
※男女は給与、待遇ともに平等に扱え。
※女性は男性より能力が高い割に安定志向が強いので積極的に活用するほうが良い。
(欧米企業は大いに活用している)
※セクハラは絶対に厳禁。 会社、政府に訴訟されることを覚悟せよ。
※日本人上司のマネージメント不足、異文化への知識不足が、
結果として能力不足になる。また、アジア人に対する優越感が不幸を招く。
九、対日観
※日本人と接触のない一般には、日本人に対するイメージは悪い。(政府の宣伝効果)
※日中戦争に関連した日、建国記念日、前後は特に言動、行動に注意。(TV、ネット等)
※日中が文化的に近いが故に、日本の文化的ルーツは中国にあるという
中国人の意識から日本の事に反発するのである。
価値観の差・・・日本はどんな悪者も死ねば仏になるが、
中国では死んでも罪は罪。その罪は永遠に消える事は無い。
十、日本人経営者への提言
※自分の片腕となる社員には「家族意識」で接すること。
※常に謙虚さが必要であり総てである。
※中国人との個人的な信頼関係を造ることが、中国事業にとって絶対必要条件である。
如何でしたか。
何百ページの本もまとめてみればエキスは凝縮して、まとめる事が出来る物です。
ただ、大切な事は感動した文章を手帳に記入して、実行する努力です。
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