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第26回香港和僑会の様子(2007年06月)

若井節子氏が熱く語る!-我がビジネス人生-
『大和魂!香港と日本の掛け橋になれ!』
【講師】B&Wファーイースト社長 若井 節子先生

『横の物を縦にもしない』とは「面倒くさがって何もしない。不精である」ことのたとえ。

それでは本日のお題です!
若井節子先生とかけて『縦の物も横にする人』ととく、その心は?

==========
「より反応のよい広告をするにはどうすれば…」考え抜いたある時、ふと新聞の紙面を横に使って広告を打つことを思いついた。思いたったら即実行。面食らう新聞社を必死に説得。

そして広告掲載当日。九龍・香港島間のフェリーターミナルの新聞売り場。不思議そうな顔で縦の新聞を横に広げる通勤途中の人、人、人。「やった!」と仲間と飛び上がらんばかりに喜んだ。
==========

良く考えて見ると、「縦の物を横にする」のは単に勤勉ならできると言うほど簡単なことではない。

今回の講師は、改めて紹介の必要もない香港日本人女性起業家の大物。広告代理店B&W社長、圧倒的な人脈を誇る若井節子先生。

中文大学に1億ドル(16億円)を寄付したあの康本氏の記念式典(パーティの模様は前回の記事参照)の取り仕切ったのも若井先生。

また最近では東京ペニンシュラを日本に誘致する夢を実現したことでも有名である。

「60年代後半に観光で始めて香港に来てたちまちその魅力に取り付かれた。」文化大革命、83年返還決定後のパニック的な海外移民ラッシュ、89年天安門、97年ヤオハン倒産など。

「特に胸を締め付けられる思いだったのは閉店の決まったヤオハンの店の前で職を失った3000~4000人の従業員の座り込みを目の当たりにしたときでした」
ヤオハンのスポークスマン的位置づけだった若井先生への風当たりは特に強かった。

「振り返るとだいたい10年ごとに大きな波があった」節目、節目の香港の様子が目に浮かぶような生のエピソードを次々と披露する若井先生のお話は1時間ちょっとではとても収まりきれない。返還10周年を迎えるにあたって改めて激動の香港の歴史を振り返るのにうってつけの講演だった。

その中で今回一番、学びは、人のネットワーク構築の奥義についてではないだろうか。
「日本との架け橋」「民間の大使」と呼ばれるネットワークは一夜にしてならず。

しかし、
聞けばその秘訣は拍子抜けするぐらい簡単だった。

「芸(好きなこと)は身をたすく」の精神でゴルフや競走馬など好きなことで人の輪を広げていった。

また「与えたら(見返りを期待しないでも、相手から)与えられる」「与えられたら与える」の精神を大切にしていたらこのような人脈が出来上がったとか。

ゴルフ大会など、好きなことの集まりを作ると、メンバーの中から「若井さん、こんな人を招くといいよ」とか「こんな人を紹介してあげようか」とか。いわば、どの集まりもそんなパターンの繰り返し。もっとビックリするような“秘儀”があるのではと期待していたのだが…。なんとなく「わらしべ長者」を連想してしまった。

また、お話を聞く前は外見から「きっと、やんごとなきご出身。所詮凡人には真似できない」などと勝手に想像していた。しかし実際は、ほとんどゼロからの人脈。秘儀もなければましてや親譲りの人脈でもない。それでも当たり前のことをコツコツやればこれだけの人脈ができることに驚かされた。

『それくらいなら、ひょっとして私でも…』(和僑会に出ているとついつい“大いなる勘違い”をしやすいのが難点ではある)

しかし、やはり若井先生の凄さは「縦の物を横にする人」ではないだろうか。すなわちハードワークがカンバンの“勤勉さ”や“発想の柔軟性”そして“ピンチをチャンスに変える創意工夫”があったからこその今日ではないだろか?

それらが支えとなり、10年周期の下降期、たとえば83年返還決定後のパニックの時期、ヤオハンの崩壊、そして最近では華やかな表舞台と裏腹に「もう駄目ではという大問題が3度あった」と言うほど大変だった東京ペニンシュラ誘致をも成功にこぎつけたのではないだろうか。

話がおもしろいと出てくる質問もおもしろい。

1.「もし今ならやはり同じ仕事を選んだか?」
2.「日本に女性CEOが生まれにくい理由は何だと思うか?」
などなど

師、答えて曰く「もし今ならこんな労働集約的産業は選ばなかった。もう少し商売っ気があったらリーカーシンに負けなかったかも…。」と半分本気で悔しがる。

そういえば「与える」と言う割には意外に“ケチ”(?)な側面も。
質問者が「・・・と言うのが第一の質問で、次に2つ目の質問ですが…」
と2番目の質問をいいかけると・・・

「ちょっとまって!」
きっぱりと2つ目の質問をさえぎった。

「ひとつひとつお答えします。私、頭は考えるためだけに使います。頭を記憶するために使うなんてもったいない。」

今までの香港の歴史を鮮明な記憶から話していた人が意外な対応!?しかし考えて見るとたとえばこの場面で頭を記憶に使えば肝心の質問への答えを考える方がおろそかになる。「頭は考えるためだけに使う。そして徹底的に考え抜く。」

またひとつ勉強なりました。

今回、講演の冒頭で「事務局の方から『大和魂!香港と日本の掛け橋になれ!』と言うお題をいただきました。こちらも特に題名変更の依頼はしませんでしたが『大和魂』と言うよりはやはり大和…」と、ちょっとご本人も当惑されたご様子で。

若井節子先生とかけて「縦の者も横にする人」ととく。
その心は、

『大和撫子』

「咲き誇る」という形容がぴったりする“薔薇”などとは違って極めて日本的な美意識・精神を代表する花と言うよりむしろ“ことのは”。

「なぜ日本では女性CEOが出にくいか?」という質問にも「日本の男性も、もう少し女性に機会を与える社会になればと思うと同時に女性自身も男性の素晴らしさ、違いを認識すべき。女性と男性はイコールではない」と。ここでも、お互いのいいところを与え合うというスタンス。

「男勝り」と言う形容が、全く当てはまらない超大物女性実業家でした。

2次会にもご参加いただき、最後にお約束の“宿題”も。

「1億ドル(16億円)とは言わないけれど康本さんのようにコミュニティに還元できる人に是非なってください」

和僑会一同、励みにします。ありがとうございました。

(文責:香港和僑会 上野)

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