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第27回香港和僑会の様子 (2007年07月)

『行列ができる会計相談所』7月20日(金) 
【講師】プライスウォーターハウスクーパーズ
駒形 洋紀 氏 日本国公認会計士 香港公認会計士

 

「それは、ちょっと〜」
「うーん。さっきから考えているけど一向に、いい答えが思い浮かばない。」
“税金”に関する会場からの質問に、さすがの駒形先生も答えあぐねているご様子。

『へ〜』
『これだけ頭がいい人でも答えが思いつかない質問ってあるんだ』

========================
◇ 則を越えず

今回のテーマは“会計”。最近この分野はビックリするような話題には事欠かない。日本での大波乱の株主総会、そうかと思うと、商売が出来なくなっって閉める大手会計事務所などなど。そのため今、多くの会計士は、一言一言に非常に神経質になっている。何しろ迂闊なことを言えば外部からはもちろん自分の勤めている会社からさえも訴えられかねないのがこの業界。

そんな中で、和僑会の常連講師、駒形先生の話は一味も二味も違っていた。柔らかい口調だが、ズバズバとモノをいう。しかも誰にでもわかりやすい言葉で。

「己の欲するままに話せど“則を超えず”」頭のいい証拠である。

では実際、どのくらい頭がいいのか?
講師の紹介に立った、師匠こと筒井会長の駒形講師の描写が振るっていた。

「え〜。駒形先生は東大を首席で卒業するくらい優秀な・・・」
「い、いえ京大・・・」
「だから、首席で卒業するくらい頭がよく・・・。それから確か、イギリスに御留学され・・・」
「い、いえアメリカ・・・」

なんとも不思議な講師紹介である。

『なんか頭が混乱してきた』
『き、きっと凄い人らしい。多分・・・』

兎にも角にも講師の凄さの雰囲気を的確に言い表した迷調子であった。

◇ 翻訳不可能な講演

「ホッ。助かった」
思わず胸をなでおろした。

実は、今回の講演会には貿易発展局のアドバイサーも勤めるバーナードさんも聞きに来ていただけた。その英語の通訳を仰せつかっていたが、直前に広東語ネイティブの会員さんに代わっていただけたのだ。

何しろこの講義、わかりやすい言葉を使っているが、ちょっとやそっとの語学力で翻訳できるような代物ではない。

講師は、間違いなく平易な言葉を使っている。

が、実は言葉の選択がそれはもう職人芸。極論すれば「てにおは」をひとつ間違っただけで意味が全く変わってしまい、即「訴え」られかねない内容に変貌するから恐ろしい。

また、表現や言い回しも独特で実に楽しい。

曰く、
「尊敬する会計士の弁。『社長の顔を見ればそれでオワリ』(それだけで全てわかる)」
「欧米のステイカー(社長)の語源は『豚小屋の番人』(そういわれると、社長もそんなにたいそうなものではなく思えてくるから不思議)」

「“継続性の原則”というと小難しいが、会計報告で表現すべきは『この会社は来年もありますか?ありませんか?』」

そして極めつけは、

監査での役回りは?

「ボケは経営者、つこっみは会計士」

ぼんやり楽しみながら、きいていると、「これが会計の話とは気がつかない人もいるかもしれない」とすら思えるほど肩がこらない内容。それでいて実は、とっても深い会計の話でありました。こういう話をライブで聞け、しかも質問まで出来てしまう。

“贅沢”の一言である。


話し戻って、講師が言葉を“グッ”と詰まらせた質問とは?

「香港の税制のデメリットはなにか?」

「う〜ん。デメリットは本当に思い浮かばない。“ない”のでは?あえて言うなら払うべきものはさっさと払いたいのに請求のスピードが遅いことぐらいですか」

バーナード氏も立ち上がり英語でご意見を、

「香港は税制にせよ法制度にせよ、フリーであるばかりでなく、むしろ事業家を後押しするような仕組みだと思う。一方、日本は(一部の)不届き者を取り締まるためか、ひとつひとつが厳しく、その障害を乗り越えなければ前に進めない仕組みのように感じられる。皆さんはせっかく香港にいるのだから最大限そのメリットを享受してください」と。

“この講師”をしてもデメリットが思い浮かばないほどの有利な税制。そしてフリーポートなどビジネスマンにとってはさながら“天国”の香港。6月の返還10周年記念シリーズが香港の「時の利」の話とすれば今回は「地の利」の巻。香港の「制度的優位性」を再認識した講義でした。

駒形先生そして特別参加のバーナードさん。ありがとうございました。

(文責 和僑会 上野)


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