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第28回香港和僑会の様子(2007年08月)

『香港・華南における人材開発と人材の活性化』
【講師】 川副 哲 氏 
肇英實業有限公司 董事長
(香港日本人商工会中小企業部会会長、八日会代表幹事、
深センテクノセンター代表幹事、陽江長崎ハイテクセンター社長、和僑会事務局)

今回は本題に入る前に是非、少し前置きをさせて下さい。

◇中国経営、頼りのなる相談相手の見分け方とは
そもそも中国での経営で日ごろよくぶち当たる悩みとはなんだろう?

**皆様も是非ご自身の悩みをいくつかあげて見て下さい。**
人の採用?文化?法律?税金?税金?品質?回収?会計?交渉?それから、それから…。

改めて並べてみると、普段ひとくくりに“中国計経営の悩み”と括って片付けている問題の内容は実は呆れるほど広範囲なことに気づく。

これらの悩みに全てアドバイスができる人などそもそも存在するものだろうか?

巷に自称“中国通”は溢れているが本物は少ないといわれるのも無理のない話しではある。

『経営者は孤独』である。が、相談相手やアドバイスをしてくれる人はいたほうが言い。いや、是非欲しい。では「中国ビジネスに関する頼もしいアドバイサー」とは?頼りになる相談相手は全専門分野で中国独自の深い知識が要求される。

たとえば“人事”だけを例にとって見ても社会主義ならではの“労働者優位”の独特の法律があり、日本の労働法の大家であっても中国では使い物にならないとまでいわれる。その他、法律、会計、マーケティング人事、総務など特定の分野が得意な人ならいるだろうが総合的に体得している人などまずいない。

しかし…。
「待てよ。」

「中国市場での百戦錬磨の経営者ならば…」

「コンサルタントより実際の成功した経営者にアドバイサーを受けるという手があるではないか!」

確かに、実際の経営者であれば上記のすべてを否応なくこなさざるを得ない。会計士や弁護士のように専門家ではないが勘所はしっかりつかんでいる。何よりも理論だけでなく実際に経験している当事者である点、ある意味で頼もしい相談相手である。

しかし…
たいていの場合、自ら経営し成功しているのは1社か多くて数社。そして業種もひとつかその関連のビジネスに限定される。

それに、たまたま同業のアドバイザーが見つかれば最高だが、同業すなわち自分と競合相手。はたして商売ガタキに苦労して培ったノウハウをやすやすと教えてくれたりするものか。

そう考えていくと、経営者であっても中国に関する悩みの相談相手の理想像のハードルはグンと高くなる。

@各専門分野の勘所をおさえ、
A専門家と太いパイプを持ち、
Bしかも中国で1企業だけでなくいろいろな業種の経営に深くかかわった実践者(経営者)
などなど、などなど
ここまで行くと“超人”である。

中国ではひとつの会社を成功に導くだけでも、しんどいのに多数の会社を順調に経営するなんて…。そもそも、ひとつの事をコツコツと極めたがる日本人には民族的にもなじまない。“華僑”じゃあるまいし。そんな“超人”などいるわけがない。

いや、
ちょっと待てよ。日系でも・・・。

そういえば現在も異なった業種の日系企業を50社も抱える、業種の宝庫(ルツボ?)があったではないか。

そう!
中国華南地区の中小企業の駆け込み寺『テクノセンター』。

香港、華南在住の経営者なら名前は知っている人は多い。しかしその全容を知る人は意外に少ない。というより業種もあまりにも多義にわたり、また常に進化・変化しているので内部の関係者でも実は全容をつかみきれていないと言ったほうが正しいかもしれない。(失礼!)

その謎(?)のテクノセンターの全体像を浮かび上がらすべく同センター神谷元社長と佐藤新社長の香港八日会(日本人の昼食会)での7月、8月の話などのポイントを羅列してみた。(口述につき聞き違い等あればご容赦)

◇改めて吃驚--テクノセンターって凄ゲ〜!―― テクノセンターと川副社長

テクノセンターは1991年三田工業などを中心に40名300万香港ドルで設立。すでに16年の歴史がある。中小企業のイメージが強いが、富士ゼロックス、ブラザー、ミノルタなどそうそうたる卒後企業が名を連ねる。3000人からの従業員を抱えていると、日々さまざまなドラマが。7000人規模の運動会など楽しいこともあるが、スト、集団食中毒事件などといった問題も。さらに停電や水がこないなどインフラ面でも悩まされ発電機や水施設など設備整備のノウハウも否応なく蓄積される。(『望郷と決別を』も参照)

  • 現在の入居企業数約50社。
  • 業種はプラスチック関連5社、組み立てなどからライセンスの難しい印刷業も2社ある。そのほか建設、会計、輸送、教育など実に多彩な顔ぶれ。
    (ライセンスなど様々な業種のノウハウ蓄積)
  • 輸出1.3億米ドル(さまざまな製品の輸出入や貿易許可、通関ノウハウの蓄積)
    内テンショウ(中国内での保税工場間取引)約65%
  • 従業員約3,000人。
    中国でこれだけの規模だと月に300名雇い80名辞めるといったペース!!
  • 因みに07年3月の実績575名やめ226名離職(人事管理、採用などのノウハウ蓄積)
  • 現在は発電機7台。
  • 水施設に億円単位の投資(井戸の水を浄化など)
  • 宿舎ABC3棟あり4,400名収容可能(16名一部屋。女工哀史…ではない)
    340〜350部屋
  • 社内食堂の運営もこれだけの規模になると本格的。

これらのポイントを眺めながらの気づき
「テクノセンターは単なる『駆け込み寺』というより、むしろ『中国経営の最前線の実践(実戦)道場』とみるべきでは」

テクノセンターを題材にした佐藤正明著「望郷と決別を」に以下のような一節がある。

「テクノセンターの成功は代表幹事の一人で、最大の入居者でもある川副哲の存在を抜きにして語れない。」同書P377ページより

実際には川副社長は単にテクノセンターの中心人物というだけでなく既に20年近くの社歴の肇英というご自身の会社も経営されている。日本上場も視野に入っているその会社がまたすごい。

どのくらい凄いかというと・・・

「おっと、」

前置きがすっかり長くなったのでこの辺で。

今回、中国でまさしく百戦練磨から成功を勝ち取ってきた川副社長からのお話し。そして、その川副社長が多くの問題の中から厳選されたテーマが”人“。

和僑会を通じて成功者の話を聞きながら気づいたことがある。
「成功者は一見“当たり前”のことをいい。当たり前のことを律儀(愚直?)に実践している人が実に多い」

特に企業の要“人”の話は、日常的過ぎてよほど注意しないと折角のとびきりのノウハウが一見当たり前のように感じて「右の耳から・・・」となりかねない。(と自分を“戒めて”講演に臨んだ)

『企業は人なり』リーダーシップや人事考課の話はともするとどれも同じように聞こえがちだがこの話は裏付けの厚さが圧倒的に違う。

しかも日ごろの悩みの質問までできる。考えてみるとこれほど贅沢な機会はちょっとない。
心してお話を伺った。

講演は“人”に関する豪華2本立て。

お忙しい中でわざわざ今回のために2種類のパワーポイントとレジメを作っていただいた。(この場をお借りして御礼。配布されたパワーポイントは私も自社人事マニュアルつくりに活用させていただきます!)

講演のテーマ
@日系中小企業の香港、中国華南に於ける人材開発と人材の活性化
Aアジアにもとめられるリーダー

今回はパワーポイントとレジメが完璧にまとまられておりさながら詳細議事録のようなもの。それ以上のまとめなどできようがない。『器』の小さい私がまとめたら本当に「当たり前でつまらない話」に変化してしまう。ということで今回は以下のさわりのみでお許しいただきたい。

1.QCC活動について 提案制度課題はトップ活動はボトムアップ。
(月一提案、人事考課との連動)
2.人事考課
人材開発 一番大事なのは新入社員教育です!
3.教育
テクノアカデミー
マスターコース(夜間)受講者の支援 卒後者には学費一部負担
大学との連携長崎総合大学:留学働きながら

4.人事考課
@業務目標達成、A自己啓発B部下指導C自分の所属部門の評価D勤務態度(勤務、体操ホウレンソウ(日・週・月報)

5.コミュニケーションとモチベーション
お金だけではない。 『面子』に効く表彰制度

6.実践に裏打ちされたノウハウ

経営会議をオープンにし全員参加。共通語は英語
幹部会議で持ち回りで10分発表させる
香港人に比べ語学が苦手な人が多い日本人。

リーダー像は「私自身こうありたい姿です」「実際にはなかなかこうは出来ない」と。人事考課制度についても「まだまだ5合目」と謙虚に振り返る。また「それでも中国では8割が辞めていく」「人がやめるのは胸が詰まる思い。」とも。

===================================================
香港随一の大金持ちといえばリーカーシン。
しかし実際には必ずしも常に1番の座を保っているわけではない。

あるとき、香港人の女房に
「何で数多くの香港の大金持ちの代名詞はリーカーシンなの?」と聞いてみた。

すると「リーカーシンは“チューヤン”だから別格!」
(チューヤン(超人):同氏の当地での愛称)

なるほど。なんか、わかったようなわからないような。

ということで(?)『華南日系製造業のチューヤン(超人)』川副社長。惜しみないノウハウの提供ありがとうございました。これからも和僑会をよろしくお願いいたします。

(文責 和僑会上野)
 
【事務局連絡事項】提案:川副社長の折角の資料。ご本人にお許しを得てホームページに掲載できるようにしませんか?

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参考文献『望郷と決別を』

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